2001年から市民参加型の「フェスティバル」を通じて「エコ」や「オーガニック」という概念を広げてきたアースデイ東京。1993年に米国で創刊し、英語圏、スペイン語圏、中東、アジアで展開する世界で最も影響力のあるテックカルチャーメディア『WIRED』日本版。
これまで数十年にわたりオルタナティブな未来を描き続けてきた両者がタッグを組み「リジェネラティブ」をキーワードに特別イベントを開催します。
「リジェネラティブ」とは
自然環境が本来もつ生成力を取り戻すことで再生につなげていく「リジェネラティブ」という概念は、従来の「サステナブル」な取り組みをさらに一歩前に進めるための行動指針として、いまや生物多様性への取り組みから経済システムのアップデートまでを包括する、世界的に注目される重要なキーワードとなっている。
『WIRED』日本版ではこの「リジェネラティブ」というムーブメントを日本社会に実装するべく、2023年6月には「THE REGENERATIVE COMPANY(リジェネラティブ・カンパニー)」を、24年9月には「The Regenerative City(リジェネラティブ・シティ)」をテーマとした特集号を刊行。
24年4月には、アースデイ東京と『WIRED』日本版は共催イベントを実施。そして今年も、アースデイ東京と再びタッグを組み、イベント「The Regenerative City Meetup」を4月21日に開催することとなった。
イベント内容
イベントは、『コペンハーゲンに山を』の上映から始まる。コペンハーゲンにある老朽化した巨大なゴミ処理施設を、スキー場であり、都市の新しいアイコンに変えていく──。「コペンヒル」と名付けられた同施設を手がけたのは著名建築家ビャルケ・インゲルスであり、完成までの9年間のプロセスを追ったのが、このドキュメンタリー作品になる。
その後のトークセッションでは、「リジェネラティブ・シティ」をテーマに、日本中の海、山、湖にもう一つの家が持てる月額会員制セカンドホームである「SANU 2nd Home」のキャビンBEEの建築設計を手がけ、リジェネラティブ建築をテーマに活動するADX代表の安齋好太郎、昨年の共催イベントにも登壇したSHIINA organic代表の露木しいな、『コペンハーゲンに山を』を筆頭にさまざまな社会課題を伝える映画の配給事業に取り組んできたユナイテッドピープルを率いる関根健次が登壇。映画のアフタートークから、リジェネラティブな建築・都市の実装が変革するわたしたちのライフスタイルまでを議論する。
今回、イベントの会場となるのは、SANUが運営するSANU NOWHEREだ。同施設は、宮崎県青島海岸発のタコスとナチュールワインのレストラン「SANBARCO」とカフェ「ONIBUS COFFEE」を併設したSANU会員向けラウンジであり、今回のチケットには「SANBARCO」のタコスとワンドリンクが付いてくる。
“地球の日”を前にして、(そして、美味しいタコスを片手に)リジェネラティブな未来をともに深めていく一夜にぜひ参加してほしい。
『コペンハーゲンに山を』

2011年、デンマークの首都コペンハーゲンにある老朽化したゴミ処理施設建て替えのコンペ結果発表会が行なわれた。白羽の矢が立ったのは、デンマークのスター建築家ビャルケ・インゲルス率いるBIG建築事務所。彼らのアイデアは飛び抜けて奇抜で、巨大なゴミ焼却発電所の屋根にスキー場を併設し、コペンハーゲンに新たなランドマークをつくるというものだった。しかし、カメラは完成までの過程で、苦難の連続を追うことになる。ゴミ焼却発電所とスキー場はどう建造物として共存できるのか? 次々と疑問や課題が山積みになっていくが、難題を乗り越え2019年10月、コペンハーゲンにスキーが楽しめる「コペンヒル」が誕生。ゴミで再生可能エネルギーをつくる最新鋭のゴミ焼却発電所で、年間30,000世帯分の電力と72,000世帯分の暖房用温水を供給する。誰もが行きたがらないゴミ処理施設が、誰もが行きたがる夢の施設になったのだ。
監督:ライケ・セリン・フォクダル、キャスパー・アストラップ・シュローダー 配給:ユナイテッドピープル 2020年/デンマーク/51分
登壇者
関根健次

ユナイテッドピープル代表取締役、一般社団法人 国際平和映像祭 代表理事。ベロイト大学経済学部卒。大学の卒業旅行の途中、偶然訪れた紛争地ガザ地区で世界の現実を知り、後に平和実現が人生のミッションとなる。2002年、世界の課題解決を事業目的とするユナイテッドピープル株式会社を創業。29年から映画事業を開始。14年より誰でも社会課題・SDGsテーマの映画上映会を開催できる「cinemo(シネモ)」を運営開始。映画『もったいないキッチン』プロデューサー。21年9月21日、ピースデーにワイン事業「ユナイテッドピープルワイン」を開業。
安齋好太郎

1977年福島県二本松市にて、祖父の代から続く安斎建設工業の3代目として生まれる。 自然と共生するサスティナブルな建築を目指し、2006年にADXを創業。林業や森づくりといった材木の循環まで視野に含める建築設計を専門とし、木の新しい可能性を追求したダイナミックな建築を手がけるほか、Wood Creatorとして国内外の大学や企業で講演活動を行う。登山がライフワーク。
露木しいな

2001年横浜生まれ、中華街育ち。「世界一エコな学校」と言われるインドネシアの「Green School Bali」で高校3年間を過ごし、卒業。COP24(気候変動枠組条約締約国会議) in Poland、COP25 in Spainに参加。肌が弱かった妹のためにSHIINA organicを立ち上げる。2019年9月、慶應義塾大学に入学。現在は、環境講演を全国の小中高学校に行うため、休学中。220校3万人以上にお話を届けた。
The Regenerative City Meetup
- 日程
4月21日(月)19:00-21:30
- タイムテーブル
18:45- 開場
19:00-19:15 イントロダクション
19:15-20:10 『コペンハーゲンに山を』上映
20:10-20:40 Talk Session
20:40-21:30 Meetup
- 登壇者
安齋好太郎(ADX 代表) 露木志奈(環境活動家/SHIINA organic) 関根健次(ユナイテッドピープル代表取締役)
- モデレーター
河野竜二(「アースデイ東京」事務局長) 岡田弘太郎(『WIRED』日本版エディター)
- 会場
SANU NOWHERE
〒153-0061 東京都目黒区中目黒3丁目23−16 1F
- 参加人数
40名
- チケット価格
3,500円(SANBARCOのタコス&ワンドリンク付き)
- 参加方法
- 主催
アースデイ東京、『WIRED』日本版
- 協力
SANU