アースデイ東京2017の開催がいよいよ目前に迫ってきました。開催前最後のオープンミーティングでは、今年のテーマ「Lifestyle Shift,NOW!未来を創ろう!」をいかに実現していくか、白熱したトークが展開されました。
後編は、実際にライフスタイルシフトを実践した4名による作戦会議。著書『わがや電力』が話題のヒッピー・テンダーさん。サラリーマン猟師の小川岳人さん。脱サラして木こりになった三木一弥さん。「自給」がテーマのシェアハウスを経営する宮内孝輔さん。一癖も二癖もある4名が、鋭く楽しくアースデイ東京に切り込んでくれました。
地球に与えるインパクトを数値で可視化するという挑戦。
河村(事務局スタッフ)/ライフスタイルシフトを実践した4人がアースデイ東京という機会を使って何ができるか、というのがこの作戦会議のテーマです。
テンダー/俺はずっと、自分のやったことに対するインパクトを正確に理解する人が増える社会になればいいなと思っている。世の中にはいろんなレベルのいろんな人がいて、出展でもA店とB店で「これが環境にいいですよ」と言っているんだけど、アースデイ東京として一個一個を定量化して数値として示して、みんなが考え直すことが必要なんじゃないかなって。
河村/定量化することで、よりわかりやすくなるということはあると思うんです。2020年までに模索していく方向性もあるかもしれないですね。
●実践者がいかに「熱量」を人に伝えられるか。
宮内/今年「麻柄DOME」という名前で出展するんですけど、逆に僕は、人と人との熱量だと思っていて。この商品が良いとか悪いとかじゃなく、その人がどういうストーリーでそれをつくって、その場にあるのかっていう。つまりアースデイで生まれるコミュニケーションって、物のやりとりじゃなくて非言語、非物質の熱量なんじゃないかなと。その熱量が伝わることで、実践者が増えていくのかなと思います。
テンダー/俺は今の「もっと消費しよう」という動きを見たときに、より大きな枠組みからシフトすることが必要だと思っていて。それをするには結局のところ、意図的なデザインが必要なんだと思う。善意に任せてきた結果が、今なんじゃないかと。例えばすごい話があってね。新聞記事に載せるから「私はガスの節約に協力します」って100人に一筆書いてもらうと、実際にガスの使用量が減る。1ヵ月後に「やっぱり掲載止めました」って言っても、ガスの利用は減り続ける。それは1回見られた自分を維持しようという一貫性の論理が働くからなんだよ。この話みたいなことをビジネスマンは物を売るためにやっている。みんな自由意志で買っているように見えても、本当はすごい手練手管の技術によって購買という現象が起きているのだとしたら、けっこう手前から考え直す必要があるんじゃないかって思うんです。
●「楽しい」と思って生きる!というマインドシフト。
河村/三木さんは大企業の環境という分野にいながら、脱サラして木こりをやられています。サラリーマンだったときにできなかったことと今やろうとしていることに、明確な差を感じますか?
三木/違ったのは、会社で環境問題を扱っていると、どこまでいっても「問題」だらけなんです。だけど、「問題だ問題だ!」って、あなたの思考が問題なんじゃない?ということに気づきましたね。あとは当時、闘うみたいに環境問題に取り組んでいたわけですよ。でも今みたいに楽しんでいる方がみんな集まるし、話も聞く。だから「楽しむことだ」じゃないのかなって。楽しいことが起きたから楽しいんじゃなくて、楽しいって思って生きているから楽しいことが起きるという。その手のシフトが一番いいんじゃないのかなというのが、僕の人生の中間結果です。
ワクワクすることなら、怒られる覚悟でやったほうがいい!
南兵衛/小川君は「TOKYOジビエ」の出展を通じて伝えたいことは何ですか。
小川/狩猟をやっていますので、狩猟を通したアースです。狩猟を通して学べることってすごくあって。例えば鶏の心臓は1羽に1個しかないんですけど、焼鳥屋さんの大量のハツは一体どこから調達しているんだろうとか。そういうのを細分化してお伝えできればと思っています。本当にやりたいのは鶏の解体ワークショップ。いろんな問題があって難しいと思うんですけど、やっぱり強烈なインパクトになると思うんです。
ハッタ(客席より)/鶏の解体は、やっちゃえばいいんだよ。怒られたら止めたらいいんだよ。だいたいね、自主規制しちゃうんだよ。わくわくするでしょ、怒られるでしょう、それでいいわけ。そのときに品位がないことをしたら、それはやっぱり言われるわけ。そうして傷ついて反省する。それは成長じゃん。自主規制が大人の成長を止めている大きな要因だと思っていて。
宮内/僕も実践あるのみだと思います。例えばエディブルガーデンが流行っているからアースデイ東京で海外の事例をパネル展示しよう、じゃなくて。その場をエディブルガーデンにしようってなれるか。
河村/自分たちが本当にワクワクしていることをこのアースデイ東京の場でやりきれるか、ということですね。
南兵衛/10万人が集まるなかで、僕たちは壮大な実験ができる環境にあるわけですからね。怒られるまでやればいいんですよ。いろんな挑戦を期待していますし、無茶を言ってきてほしい。その上でできないものはできませんと言うけれど、でもどうしたら実現できるかも含めて一緒に考えていけたらいいなと思います。