アースデイ東京の実行委員長を20年にわたり務めていただいたC.W.ニコルさんが“世界に日本の蒸溜酒である焼酎を広めていく”ことを目的として薩摩郡さつま町にある「小牧蒸留所」と共に立ち上げたプロジェクト。
5年の歳月を経て、国産クラフト GIN「ITO 糸 GIN」が完成しました。
アースデイに関わるすべての方達にお伝えしたく、以下小牧蒸留所のプレスリリースを転載させていただきます。
~C.W.ニコル氏の想いを形に。薩摩と英国をつなぐ国産クラフト GIN~ 「ITO 糸 GIN」2023 年 7 月 17 日(月) 国内先行予約開始(限定 300 本)
1909年(明治42年)創業。小牧蒸溜所(小牧醸造株式会社 鹿児島県薩摩郡さつま町)は2023年7月17日(月)、国産クラフト GIN「ITO 糸 GIN」を国内先行予約(限定 300 本)スタートする運びとなりました。 「ITO 糸 GIN」は故 C.W.ニコル氏と共に着手いたしましたプロジェクトのファーストプロダクトです。貴社媒体にてご紹介いただきたく、ご案内申し上げます。
「ITO 糸 GIN」開発のきっかけは故 C.W.ニコル氏が生前、小牧蒸溜所に託してくださった想いに遡りま す。その想いとは、“世界に日本の蒸溜酒である焼酎を広めていくこと”です。世界4大スピリッツのひとつとして愛飲されているジン。ニコル氏はジンのベースを焼酎にすることで、焼酎を海外へ伝えていくことができると考えていました。2020 年、ニコル氏は永い眠りにつかれましたが、私どもは想いを受け継ぎ、甥であり、醸造家でもある Kokoro GIN のジェームズ・ニコル氏らと共に焼酎ベースの「ITO 糸 GIN」 の開発に努めてまいりました。完成までに約 5 年、晴れてニコル氏の誕生日である 7 月 17 日(月)国内限定 リリースとなります。売上の一部はニコル氏の財団である「アファンの森財団」に還元し、森を蘇らせる 取り組みに繋げてまいります。
■華やかな香り、まろやかな味わい 「ITO 糸 GIN」
ベースの原酒は、創業当時から引き継がれてきた和甕仕込みの芋焼酎。ボタニカルはジュニパーベリーはもとより、日本を感じる素材を厳選しました。軸となるのは、ニコル氏の望みであったアファンの森(長野 県)のクロモジと山椒。この2種のボタニカルの香りとボディ感(のど越しやコク、アルコール度数などの味わい要素の総和)をより引き立たせるために、限定生産の梅酒でも使用しているさつま南高梅とお茶を 中心に、「幻のみかん」とも言われる新生十万みかん(鹿児島の温州みかん)、けせん、ティーツリー、笹を加えています。焼酎造りで培った伝統的な常圧蒸溜で素材の香りや旨味を引き出しているのも特徴です。口の中に広がる華やかな香り。まろやかな味わい。梅やお茶といった日本人に馴染み深い、どこか懐かしい味の余韻。「ITO 糸 GIN」との出会いによって、焼酎をベースとしたGINの奥深さを堪能していただけるものと思っています。
■故 C.W.ニコル氏が大切にしていた蒸溜酒への想い
故 C.W.ニコル氏が日本の蒸溜酒・焼酎にこだわった背景に、氏の高祖叔父(おじいさんのご兄弟)にあたる方がニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝氏との深い関わりの中で、ウイスキーの蒸溜技術を伝授したことがあります。同じ蒸溜酒である焼酎を今度は日本から世界へ。世界で愛飲されているジンを焼酎で造 ることで焼酎が知られる機会となることを信じ、ニコル氏は生前私たちにこう話してくださっていました。「当時竹鶴氏と高祖叔父のニコルがファミリーだったように、小牧さん兄弟とぼくらはファミリー。 血の繋がり云々ではなく、想いが一緒で心が通じ合っていることが家族の証だから。ぼくらは小牧さんた ちと一緒に新しい焼酎の歴史を創っていきたい」と。その歴史の第一歩となる「ITO 糸 GIN」。小牧家は鹿児島薩摩の地より、ニコル家は英国の地よりひとつのファミリーとして「日本の蒸溜酒・焼酎を世界に」という想いを形にしていく所存です。
ちなみにニコル氏と焼酎の出会いは、捕鯨船の中というエピソードがあります。生態調査のために日本の捕鯨船に乗って南氷洋に赴いた際に、鹿児島出身の船長が“薩摩焼酎”をふるまってくれたことがきっかけとなりました。明治・大正・昭和の時代を駆け抜け、もともと氏のルーツである英国との関わりが深い 「薩摩」。捕鯨船での経験をもとに、西洋との出会いに揺れる幕末の若者を主人公に書き上げた歴史小説 『勇魚』(鯨の古名)でも、薩摩は舞台のひとつになっています。
【C.W.ニコル氏 】
作家・1940年イギリス南ウェールズ生まれ。1995年日本国籍取得。カナダ水産調査局北極生物研究所の技官・環境局の環境問題 緊急対策官やエチオピアのシミエン山岳国立公園の公園長など世界各地で環境保護活動を行い、1980年から長野県在住。 1984年から荒れ果てた里山を購入し「アファンの森」と名づけ、森の再生活動を始める。2005年、その活動が認められエリザベス女王から名誉 大英勲章を賜る。2011年、「アファンの森」が日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に登録される。2016年、(社)国土緑化推進機構より「第6回みどりの文化賞」受賞。2016年、天皇、皇后両陛下がアファンの森をご視察された。
【Kokoro GIN】
C.W.ニコル氏がプロデュース、甥にあたるジェームス・ニコル氏が醸造するロンドン・ドライジンのカン パニー。「ITO 糸 GIN」の味わいの監修に携わり、諸外国への流通を担当。
【小牧蒸溜所(小牧醸造株式会社)】
北郷島津家の13人の武家来衆の1人を祖とし、1909年(明治42年)に鹿児島県北西部にて本格焼酎製造業を創業。代表銘柄は一次・二次とも和甕で仕込み、昔ながらの技術で醸す「小牧」、蔵の 100 周 年を記念して誕生した「一尚」、ベニサツマを原料とする「紅小牧」など。「ITO糸 GIN」において は、ベースとなる本格焼酎の製造・蒸溜及びボトリングを担当。
【小牧醸造株式会社 代表 小牧一徳より】
薩摩焼酎の歴史は、江戸末期、英国に敗戦し彼の国の偉大さに触れ、西洋式の蒸溜技術の一端を持ち帰ったことに端を発します。2000年代に入って、日本国内では本格焼酎ブームが到来し、以来、“味わいを楽しむ”大人の飲み物として親しまれるようになりました。しかし未だ世界の市場での認知は薄いのが現実です。悔しくもニコル氏は永遠の眠りにつかれましたが、我々の技術を世界をも凌駕する技術と認め、弊社がロゴに込めた「世界で唯一無二の、本当の意味での一番となる焼酎づくり」にも共感してくださった氏の想いに商品力で応え、世界に伝えていく所存でございます。(2023.4.1)
本リリースに関するお問い合せ先) 小牧醸造株式会社 専門酒屋・新宅商店/店主・新宅友也 E-mail: shintaku.shoten@gmail.com