知る・学ぶ

「地球1個分の暮らし」をトークセッション!みんなでつくるアースデイ東京2019開催記者発表

3月11日(日)、日比谷公園で行われたイベント「ピース オン アース」の会場で「アースデイ東京2019」の開催記者発表を開催しました。東日本大震災の追悼の場であり、未来への集いでもある「ピース オン アース」。記者発表の会場は、太陽光発電で音響と照明をまかなう「ソーラーシェアリング・ドーム」です。平日にもかかわらず、メディアやたくさんの来場者が訪れました。

記者発表では、半農半歌手のYaeさんが進行役を務めるなか、まず最初にアースデイ東京 2019実行委員長のC.W.ニコルさんが登壇しました。

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県東松島市に、ニコルさんが代表を務める一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団の協力によって、豊かな森に隣接する木造の小学校が開校したのは2016年のこと。

アースデイ東京 2019実行委員長のC.W.ニコルさん

 

「この学校の子どもたちは、非常に自己肯定感が高いんです。自然のなかで遊び、自分たちが自然の一部だと感じられることは、子どもたちにとって必要なこと。そこから自己肯定感が育まれ、自信を持つことができる。自分を愛することができる人は、人も愛することができます。ほかの人、ほかのいきもの、ほかの国を愛するためにも大事なことです」とニコルさん。「未来の鍵は子どもたち」という力強いメッセージを投げかけました。

 

みんなで楽しめる!「アースデイ東京2019」のプロジェクト

左:EDT障害平等研修 実行委員会の石川明代さん 右:SDGsハッピーアースパレードin渋谷実行委員会の安在尚人さん

 

続いてアースデイ東京2019のプロジェクトの紹介が行われました。そのひとつに、4月21日(日)の14時から予定されている「SDGsハッピーアースパレードin渋谷」があります。

パレードは、あらゆる違いを乗り越えてみんなで楽しく歩くことで平和を表現するもの。今年から国連大学からスタートすることになったパレードには、平和の願いを伝えるべく原爆の被爆者もかけつける予定です。実行委員メンバーの安在尚人さんが登壇して、パレードへの参加を呼びかけました。

 

また、電動車いすで登壇した石川明代さんは、4年前にアースデイ東京にブース出展した際、バリアフリートイレの問題、手話通訳の不在など、さまざまな課題を感じた経験を話します。

昨年から実行委員メンバーとなった石川さんは、SDGsの掲げる「誰ひとりとして取り残さない」という目標をアースデイ東京でも実現したいと考え、障害のある人、高齢者、小さな子ども連れ、外国人など、どんな人でも平等に楽しめるイベントを実施するためのプロジェクトを進めています。

「昨年は、実行委員や事務局スタッフが障害者平等研修(DET)を受けて『障害とは何か』について一緒に考えるところから始まり、イベント会場でのバリアフリートイレの設置、手話通訳の手配、目の見えない方を駅から会場まで案内するなど、さまざまなことを実現しました。

今年も誰でも参加できるアースデイ東京になるよう、クラウドファンディングへのご協力をどうぞお願いします。そして、ぜひアースデイ東京当日に遊びに来てください!」

 

アースデイいのちの森とグリーンコリドープロジェクト

左:アースデイいのちの森2019 事務局長 井梅 江美さん 中央:アースデイいのちの森2019 実行委員長 野中 ともよさん 右:Yaeさん

 

アースデイ東京の楽しみは、代々木公園だけではありません。すぐ近くにある明治神宮の森では、「アースデイいのちの森2019」が開催されています。

明治神宮の森は、150年先のことを考えて全国から約10万本の献木をのべ11万人の若者たちが植えたのが始まり。2020年には100年を迎えます。この「いのちの森」では、野点(のだて)のお茶、雅楽の演奏、ひのきのおがくずプール、ヨガ教室などを楽しむことができます。

実行委員長の野中ともよさんは「この森が100年目を迎えるのが2020年。そこから次の100年に向けていのちを繋いでいきたい。私たちはその100年後の東京を見ることはできませんが、そのプロセスに子どもたちが一緒に参加することがとても大事だと思うのです」と話します。

いのち豊かな明治神宮の森と、そこから延びる明治神宮表参道、北参道を繋ぎ、明治神宮外苑、青山通り一帯を広く緑で繋ぎ、いきものたちが行き交う緑の回廊をつくる「グリーンコリドープロジェクト」。さらに明治神宮の森のどんぐりの苗を里親に預けて育てるNPO法人 響の取り組みも紹介されました。

 

SDGsでつながって、一緒にメッセージを

左から:佐々木依里さん、大葉ナナコさん、中井徳太郎さん、Yaeさん

 

「エネルギー、食、水、何もかもが自然の恵みだという原点に戻らないといけない。経済を動かしているような企業も、いまSDGsを掲げ始めました。いよいよ、どうしようもないという危機感のなかで、みんなで助け合おうとなってきています。今年は、そんな大事なタイミングで開催されるアースデイ東京なのだと思います」。そう話すのは、環境省 総合環境政策統括官の中井徳太郎さん。

環境省「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトのアンバサダー・大葉ナナコさんは、子どもたちへと伝えることから社会を変えていくため、小中学校に「いのちの授業」を届ける活動をしてきました。現在は、「人のいのち・地球のいのち」という授業名にリニューアルをして継続しています。

授業を受けた子どもたちは打てば響くように、帰り道からゴミ拾いを始めるなど、すぐに行動が変わるそうです。

「今年生まれた赤ちゃんは、2100年には81歳になります。この先の未来を生きる子どもたちに、私たちはバトンをつながなくてはいけません」と大葉さん。

 

 

 

同じくアンバサダー・佐々木依里さんは、幼い頃の記憶として、おばあさまの家の裏にある小川で遊んでいたときに「地球が大好き。ここで遊ぶのが大好き」と強い気持ちを感じたことを話しました。

「その気持ちを伝え続けるために、地球のやさしさを旅番組でも伝えてきました。でも、今地球は壊れてきています。みんなで地球のことを考えるものとして、世界中がSDGsに取り組み始めています」

 

みんなで考える「Everyday Earthday 〜地球1個分の暮らし〜」

 

4月20・21日に代々木公園で開催される「アースデイ東京2019」のキャッチコピーは「Every day Earth day 〜地球1個分の暮らし〜」。いま日本人と同じ暮らしを全人類がしたら、地球資源が2.8個分必要だと言われています(2018年WWFレポートより)。

アースデイ東京では、持続可能な世界を実現するためのグローバル目標「SDGs」に取り組みながら、まずは私たちの一人ひとりの暮らしを見つめ直そうという思いを、このキャッチコピーに込めています。

イベントの最後は、それぞれの立場から地球1個分の暮らし実現に向けて、いま取り組むべきことを語りました。

 

 

みなさんの話から出たのは、“今の豊かさのあり方”を考え直し、新しいものさしをみんなで考えていくということ。

いま地球2.8個分の暮らしを送っている私たちは、これからどんな暮らしを選んでいけばいいのでしょうか? それをしっかりと考えて選択していくことが、「地球1個分の暮らし」につながっていくはずです。

4月20・21日に代々木公園で開催されるアースデイ東京で、みなさんと一緒に考えていけたらと思っています。

たくさんのプロジェクトや取り組みが集まるアースデイ東京でお待ちしています!