多様な考えをもつ仲間と出会える場
3月11日(日)、日比谷公園での「ピースオンアース」のメインステージにて、「アースデイ東京2018」の記者発表イベントを行いました。記者発表といっても堅苦しいものではありません。メディアだけでなく一般のお客さんもたくさん見守るなか、さまざまなゲストといっしょにアースデイ東京の魅力を伝えてきました。
まずは、「アースデイ東京2018」実行委員長を務めるC.W.ニコルさんの挨拶からスタート。日本で長年森づくりの活動に取り組んできたニコルさん。この日も長野からの参加です。
「僕は山から下りるとクマになるんですよ。うまく話せないから手伝ってください」と、司会にトークのフォローをお願いするチャーミングなニコルさん。
「アースデイにはいろいろな考え、いろいろな人がいるから楽しい。同じ考えの人だけが友だちとは限りません。僕は反対運動はあまり好きじゃない。『やろうぜ!』という運動のほうが好きなんです」とアースデイ東京の意義を話します。
人類が地球の姿を見てから50年
続いては、谷崎テトラさん(ワールドシフト・ネットワーク・ジャパン代表)が、アースデイの歴史を説明。いまでは世界中に広まっているアースデイですが、最初にアメリカでアースデイが誕生したのは48年前、1970年の4月22日のことでした。
「当時、スタンフォード大学の学生だったデニス・ヘイズが、『母の日』や『父の日』とがあるのに『地球の日』がないのはおかしいと、なんでもない普通の日である4月22日をアースデイとしたのです」
「アースデイ東京2018」のメインビジュアルには、アポロ8号の宇宙飛行士が月面から昇る地球を撮影した「アースライズ(地球の出)」の映像が使われていますが、今年は「アースライズ」50周年なのです。「人類が地球の姿を初めて見て、限りある存在なのだと認識してからまだ50年しか経っていません」とテトラさんは言います。
「この50年をかけて、地球をひとつの生命圏とみる考え方が広まってきました。人類はやがて100億人を超えます。人口が増えたときに、日本やアメリカと同じような消費生活をしようとしたら地球が何個も必要になると言われています。でも、地球はひとつしかありません」
こうした状況のなかでアースデイは世界に広がっています。アースデイは地球について考え、奪い合うのではなく分かち合い、持続可能な未来を実現するための情報やアイデアを持ち寄る場になっているのです。
世界で何が起きているのかをアースデイで知る
そして、アースデイ応援団長として歌手の加藤登紀子さんも登壇。今年4月に日本で種子法が廃止されることに触れ、「何が起きているのかを知ること」の大切さを訴えます。
「アースデイ東京でもこうした情報が得られると思います。年に一度のアースデイだけではなく、情報交換できるコミュニティをそれぞれの地域につくっていってほしい」と登紀子さん。
テトラさんも「アースデイというは『最初の一歩』を踏み出すための場。僕は環境問題に二十数年向き合ってきたけれど、いま大きな転換期を迎えています。SDGsのゴールをどう達成するのか、環境や社会のことを考えていくなかにイノベーションのチャンスがある。企業も行政も学生も、さまざまな人が地球の未来を考えるようになりました。今年のアースデイ東京には、いままで以上に多様な出会いがあると思います」と期待を寄せます。
高校生が中心に企画運営するブースも
次に、ステージに元気よく登場してくれたのは、学校や学年を超えて集まった小学生6年生から高校生3年生までの学生たち。今年のアースデイ東京のテーマであるSDGsについて、参加者に楽しく知ってもらうための企画運営を行う学生チーム「SDGs for School」のメンバーです。SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」のこと。
「世界に溢れている問題はたくさんありますが、私たちには関係ないことなのでしょうか。自分たちの問題として、自分にも何かできると考えてもらえるきっかけにしたい。ぜひ遊びに来てください」と、チーム29人の思いを語ります。
アースデイ東京では、児童労働を行わずに栽培されたコーヒーを提供する「SDGsカフェ」を会場にオープンさせ、地球の未来のために各分野で活動している人と学生とのトークショーを行いたいと企画中。また、オーガニックコットンのバッグやハンカチを使った、SDGsスタンプラリーなどの参加型プログラムも予定しています。
未来を担う世代の力強いプレゼンテーションに続き、会場をさらに盛り上げてくれたのは、ア―スデイコンサートに出演するラッパーのあっこゴリラさん。この日は、ルワンダへ野生のゴリラに会いに行ったときのラップを披露。客席内を駆け回って、圧巻のパフォーマンスでした!
イベントを締めくくるトークは、宮城大学教授の風見正三さんとニコルさん。初めて出会ったのは、東日本大震災の支援を呼びかけるアースデイの緊急記者会見だったそうです。ニコルさんの「アファンの森」に被災地の子どもたちを招待したことをきっかけに、「森の学校」プロジェクトがスタート。2017年1月に、宮城県東松山市に自然に囲まれた木造の小学校が完成しました。お二人の話からは、子どものうちから自然に触れることの大切さを感じます。
「年に一回、アースデイに集まって、みんなでおいしいものを食べて楽しんで、話をしましょう。本当にアースデイは楽しいイベントです。このクマが言うから間違いない!」とニコルさん。
最後にみんなで「美しい地球を次世代に残していくこと」を約束して、大盛況のなかメインステージでの記者発表イベントは終了しました。
いろいろな分野で活動する仲間が集まるアースデイの魅力を、少しでも感じていただけたでしょうか。みなさん、ぜひ4月21日(土)・22日(日)に代々木公園で開催される「アースデイ東京2018」でお会いしましょう!
ステージでのイベント終了後は、会場のブースで、C.W.ニコルさんの「フォレストキッチン」による鹿肉ソーセージの試食会も行いました。「おいしい!」と笑顔の学生たち。もちろんアースデイ東京で出店予定です。おいしいだけでなく、「食」について考えるきっかけとしても、ぜひお越しください!
アースデイ東京2018開催情報 ↓
https://www.earthday-tokyo.org/wp_2020/2018/02/02/5174